ある私のダイビングの生徒の話 と 津波の話

ダイビングのお客さんの中にも
震災で被害にあった方　　実際に津波を経験した方
数名いらっしゃいました

その中でも　心が痛くなったのは
津波を経験した　Mさん

「海をみるのが怖い。お風呂にも入れない」と言ってました
あんなに大好きだったダイビングの写真をみるのも
怖い。。って



まだまだ　Mさんには　早いかもしれないけど
ある　わたしの　ダイビングの生徒の話を　しますね！
いつの日か　　Mさんにも　読んでもらえますように。。。



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オルベリにいる時に　BIYADHOOからのお客さんで
Sさん　ご夫妻が　連れてきてくださった
お友達。
年は全然　　S作さんとN子さんより若いんだけど

彼女が　　「ダイビングをやってみたいんだけど
　私に　できるかな？？？？」と

通常怖がってる　お客さんには
最初に

「泳げますか？　　顔を水の中につけるのは怖くないですか？」
と　聴くのですが


その時彼女から　　こんな　経験談を　聴きました



ある夏の日　　彼女は　お友達数名と車に乗って
海へ行きました。
周りは　真っ暗で　電灯もなんにもなかったと

彼女たちは　
真っ暗な中　　いつまでも続く
防波堤を　スピード出して走り
ちょっとした　スリルを楽しんでました

私の生徒が乗っていたのは　後部座席。。。

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彼女の記憶は　ここまで

気がついたら　病院にいました
そう　　防波堤が　いつまでも続く訳なく
車ごと　海へ　転落。。。


運転席と助手席に乗ってた人は落ちる時に気がついて
車が　海に沈む前に　脱出


でも　　後部座席にいた　彼女たちは
何もわからないまま　
車と一緒に　海に沈んで行きました


実際に自分で　どうやって脱出したのかも
覚えていないって。。


彼女も　プールに入るのも怖いし
とにかく　水が怖い
でも　　モルディブの水中映像をみて
どうしても　　海の中を　観たくなった

水を克服するのは　今しかない！
モルディブしかない！






そう言って　　ダイビングに挑戦

浅いところでの呼吸の練習は問題なく
普通の人と　変わらなかった

でも　水深５ｍ　　　８ｍ　　　１０ｍ　と
少しずつ　潜降して
魚をみている時は　なんとか　OK　


ただ　上を向いた時に
実際に　記憶にないはずの　　あの　海に沈んだ車から
脱出した　恐怖が　蘇ってくる


水面がすぐそこにあっても
５ｍ　３分の　安全停止後
BCDのディフレーターボタンを押しながら
右手をあげて　　上を向いて　浮上。。。。。


これができない
水中から　浮上しようとすると


また　　記憶が蘇ってくる



私は最初は　しょうがないから　
上を向かなくていいよ

それから　これは　ストレスダイバーにも
することだけど

体のどこかを触っててあげる

BCDを触っても　　感じられないので
手首でも腕でも　　
「ちゃんと　ここにいるよ」ってことをわかるように
しっかり　ちょっと　痛いくらいに
掴んでてあげる



本当は４，５日で　終わる講習だけど
ゆっくり　時間をかけて
講習しました



そして　彼女は　無事にダイバーに。。。


数年後の　マリンダイビングフェアに顔を出してくれた時も
しっかり　ダイビングを　続けてました






この話　　よく　いろんなダイバーにしていたので
「もう　　聴いたことあるよ！」って言うかもしれないけどさ
　　

ちょっと怖がってるダイバーには
こんな　もっと　怖い想いをした人が
海を　克服したんだよ！って　伝えてました




今回の　津波は　もっともっと
被害は大きいし
津波の中にいた　　Mさんは
どんな恐怖があったのか　
私が　知ることもできないけど




でも　　いつの日か　　また
あの　素晴らしい水中世界に戻って
ダイビングを楽しめる日が　来てくれるといいな


って　　願ってます



海は逃げないし　　絶対に裏切らないから
また　　いつでも
ダイバー　Mさんに　戻って来てね！